証券ビュー

調達手法の盛り合わせ 強かSBG (2020.03.05)

日本国内で最大規模とされるマージン・ローン(株担保融資)が実現した。
リードアレンジャーはクレディ・スイスとJPモルガンで
海外の金融機関を中心に国内外16の金融機関が参加した。
足元をみた強かさは銀行側とSBGのどちらが上なのだろうか。
  
 2月25日にグループ保有の国内通信子会社ソフトバンク株のうち
約3分の1(9億5300万株)を担保にして1年延長できるオプション(権利)が
付いて融資期間2年の5000億円借り入れをSBG(9984)が実行した。
2018年12月に東証1部に直接上場したソフトバンク(9434)
グループの中で最もキャッシュを生み出す親孝行子会社。
公開直後こそ公募価格の1500円を割ったが、株価は持ち直して
2019年央から現在までは1500円を挟んで揉み合う値動きが続いている。
上場されて流動性も高い上に担保価値の安定というのが
金融機関側へのアピールポイントだ。
   
しかし2019年12月末時点での社債償還は高水準で、
2021年度は1兆3056億円、2022年度は5010億円の償還が控えてる。
今回のマージン・ローンと呼ばれる手法だが、
保有する中国のアリババ株を担保に2018年春に約80億ドルを、
2018年夏に追加で約14億ドルを借り入れているので実施実績はある。
だから返済が滞ってもソフトバンクグループに法的な返済義務がない
ノンリコース(非遡及型)を選んだのだろう。
  
返済が滞れば売却されるのだから穏やかな話ではないのだが、
SBGが直接的に出てこないからくりがある。
実際に借り入れるのがソフトバンクグループの100%子会社であり
2019年11月に設立した日の出1号合同会社であること。
担保となる株式はソフトバンク株だが同じくソフトバンクグループジャパン
という100%子会社ではあるが中間持株会社が保有することの2点がミソ。
名義や議決権はソフトバンクグループジャパンのままなのも抜け目ない。
    
 また広報室は、金融機関から予想以上の需要(融資の提案)があったことを示す
「銀行のデマンドもオーバーサブ(スクリプション)」という表現を使っている。
従来では新規社債発行だった償還資金調達だが、資産売却やノンリコースの
マージン・ローンなどさまざま調達手法の組み合わせを手元資金に加えてもいる。
とはいえソフトバンク・ビジョン・ファンド1号が投資したウィーカンパニーは
経営不振に陥り計1兆円規模の支援を予定しているため2号設立見送りの現状。
まして担保付きのローンが増えると、無担保社債がより劣後するとされて
無担保社債の格付けが下がり調達コストが増すことが今後ありうる。
   
 個人が信用取引をする際の株担保融資のようなリコース(訴求型)
上場株担保融資と違うのは掛け目が70~80%ではなく30~40%が一般的な点。
借り入れ金額5000億円を担保分9億5300万株2月25日の終値での
時価評価額1兆4100億円で割った約35%が今回の担保の掛け目である。
またソフトバンクグループ単体の純有利子負債(2019年末で約4.8兆円)を
自社で保有する株式価値で割ったLTV(ローン・トゥ・バリュー)
約35%という点も市場リスクである乱高下に対して耐性があると考えられる。

3月3日本番の前触れ 政策大転換まで景気底入れなし (2020.03.05)

 小反発。日経平均中陽線の引け。安寄り後切り返した。3日FRB緊急0.5%利下げに拘らず、ダウ785ドル安(一時997ドル安)が主因。発表直後381ドル高をつけ息切れ。

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シナリオ破綻 長期戦の混沌覚悟  (2020.03.04)

東京五輪の開催可否の判断は5月末がリミットといわれるが、
日本はこれから感染拡大し中国は感染拡大の第二波第三波が来る、
とも言われている為「5月終息」のシナリオは狂いそうだ。
この展開をまず織り込もうとしているのが現在の段階。
  
さらに仮に日本が収まったとしても、世界がそれどころじゃない。
昨年はインフルが流行していた冬の南半球大挙して強国オーストラリアと
ニュージーランドから大挙してラグビーW杯観戦客が押し寄せたことと、
受け皿の東京もクーラーガンガン低温低湿度の室内環境でクラスター感染の
構図が成立していた、とインフル流行が早かった因果関係の指摘があった。
オリンピックが始まる8月も南半球は中韓人が多い地域で冬なのが気がかり。
  
つまり開催国と来場者の双方が沈静化しないと五輪効果を逃す。
患者数はいくらでも隠蔽できるが、実態経済の指標は数カ月後から
リアルなボロが出てくるので順次に織り込んでいくことになる。
    
危機管理マニュアルでは今秋再燃も念頭に年単位で続く対策が必要。
これでは5月に終息する訳がないから長期戦は覚悟した方が良い。
よって改正法案での緊急事態宣言の有効期限が2年なのは絶妙。
ということで法案成立は好材料だが一時的反応止まり。
世界同時不況の試算が出る度に織り込み直す期間が長引く。
  
そもそも実験室で人為的に生成されたウィルスの特性を
自然界で自然発生したウィルスと同一に論じるのは無意味。
相手が未知のウイルスである以上全ては推測に過ぎないから
どんな誤算が生じてもおかしくない。
  
とは言え悪材料への感応度が鈍くなればセオリー通り底打ち。

1番底で切り返し困難 半年か1年後リバウンドも大きい (2020.03.04)

 乱高下。日経平均大陰線の引け。出直しだ。買い戻し一巡後円高に振れ、後場中頃ロイターがG7協調利下げなしと伝え興ざめ。日経平均、TOPIXともに安値引け。売買代金が6日連続3兆円を超えた。

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半年後が目途 木曽路 3月4日 (2020.03.03)

次世代の仕込み活発
新型コロナ終息後V字型急回復
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 木曽路(8160)は伸び悩み。3Q25.5%営業減益。正念場を迎えた。新型コロナ感染拡大によるもので1月30日下方修正。持ち越した原材料や人件費増、消費増税などこなし期末乗り切る構え。

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