証券ビュー

一万八千円説 涼しい顔で言う (2015.03.10)

昭和の風林史(昭和四八年三月五日掲載分)
生糸市場から小豆市場に巨額な投機資金が流入して、
一万八千円必至と涼しい顔でいうありさま。
「蛇穴を出て見れば周の天下なり 虚子」

小豆相場は、もう強弱の段階ではない―と言うが、
それもまた強弱である。
生糸市場が全限新規売買停止となった。
生糸市場で巨大な利益を得た投機筋が
小豆相場に雲集している。
ともかく買っておけば―という人気である。
市場では、一万八千円という声がささやかれる。
異常を異常と思わない昨今の風潮である。
なにが怖いと言って、
勢いというものほど恐ろしいものはない。
乱世である。
乱世は常識人では渡れない。良識も無用。
いや、なまじ良識など持つと邪魔になる。
攻めはあくまで厳しく、ゆるめるなかれ。
十日の長期予報は、
恐らく〝悪い〟見方がなされよう。
五日の在庫発表で仮に押せば、
十日めがけての買い場になるという作戦。
一万五千円を涼しい顔で付けている小豆である。
東洋経済三月三日号の朝倉正氏の〝
地球をおおう異常気象〟によれば
「一時的なものではなく」
「日本も夏は不順型」とある。
小豆は、まだ今のところ
生糸や毛糸のような
実需からきている高騰ではない。
しかし、作付けの動向や交
易会の商談の進みぐあい。
あるいは長期予報によって、
仮需要の火は、
さらに燃え広がるのかもしれない。
それは儲かるものに集まる人間の心理だ。
東穀のキャパシティを上回る尨大な仮需要。
もし昨年の小豆が
五、七十万俵という不作であったら、
全国六ツの穀取は、すでにパンクしていたかもしれぬ。
大手亡にも不気味な気配がうかがえる。
小豆が一万八千円なら手亡の一万二千円が
あっても変ではないという考え方。
量的にあれだけあった大豆でさえ
(もとより消費量も大であるが)
一万五千円したのであるという―考え方。
確かに〝もう強弱ではない〟のかもしれないが
それもまた強弱である。
人々は値段というものに麻痺してしまった。
一六三四年、オランダのチューリップ騒動は、
人々が新種のチューリップ球根を求め、
球根一ツとダイヤモンド一カラットが同一値
という狂気を演じ、オランダ経済は完全に狂い、
回復に数年を要した。
過激な投機は一種の熱病である。
●編集部注
新規売買停止となればこれは
「もうやめとけ」という合図なのだが…。
【昭和四八年三月三日小豆八月限大阪一万五二二〇円・八〇円高/東京一五〇七〇円・八〇円高】

外れた予想が当たり 多くの選択肢持ち春に種まけ (2015.03.10)

週明け安い。前週末外れた予想が当たった印象。13日メジャーSQを控え、先物にポジション調整売り。裁定解消売りに跳ね返った。9日発表された昨年10〜12月期GDP改定値が年率換算1.5%増(速報値2.2%増)に下方修正され一時日経平均237円安。

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市場守るため 仕手を排除せよ (2015.03.09)

昭和の風林史(昭和四八年三月三日掲載分)

市場がどうなろうと儲ければよいのだ

という考えがないでもない。

取引所も業者も大事な時期だ。

「白酒の紐の如くにつがれけり 虚子」

東洋経済の三月三日号は

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日本企業が様変わり 中国のガス抜きなしに収まらず (2015.03.09)

前週末高い。予想が外れた。外資系660万株買い越しd始まり後場強含み。公的年金の大口買いが伝えられ、外資も債券から株に乗り換え。先物主導でインデックスや利回りの高いものが人気を集めた。

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今年も異常? 先走る不安人気 (2015.03.06)

昭和の風林史(昭和四八年三月二日掲載分)

天候不安を買うのはまだ早すぎる。
行き過ぎた分の訂正は必至。
噴き値売り。
世論の動向にも要注意。
「流氷や宗谷の門波(となみ)荒れやまず 誓子」

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