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企業レポート

連結上放れ 矢作建設 8月5日 (2025.08.04)

10、20年後手に余る 
直近4期足場を固め率先垂範
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 矢作建設工業(1870)は連結上放れ。中期経営計画を上回るスケール。直近4期足場を固めた。長期化する地政学リスクや中国経済の落ち込み、米国通商政策など加味したもので、2030年度目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と定め新年度早々射程圏。計画を上回り連続増配が見込まれる。主力の建設事業で規模拡大に向けた施工体制を強化。ICTや建設DX推進によるプロセスの改革、戦略的受注を目指す分野・マーケットに向けた技術開発と組織営業の推進など、既存事業の深化・進化と新規分野・領域の探索・開拓を両立した取り組みを推進。手応えが感じられる。不動産事業で東海圏中心に市場ニーズに即した用地開発・販売を行う一方、リニア経済圏で開発エリアと事業領域両面の拡大も見どころ。5月26日伝えられた名古屋駅地区再開発計画に関する共同事業者間の決定然り。コロナで中断された名鉄名古屋駅再整備が2026年度解体着工、27年度新築同。33年度1期本工事竣工、40年代前半2期工事同となり嬉しい悲鳴。1941年名古屋駅開業以来のプロジェクトで名鉄をはじめ日生、近鉄など商業、オフィス、ホテル、鉄道駅、バスターミナル計約3200億円(内バスターミナル約280億円)のプロジェクト。アクセスがリニアや中部国際空港と連動し名駅地下街様変わり。中日ビルやIGアリーナに続き栄中心部の再開発計画も目白押しだ。1999年JRセントラルタワーズ(245ⅿ)が稼働したように名駅と並ぶランドマークも考えられる。同社は東海地方中心に分譲マンション「バンベール」シリーズ、耐震補強工法「ピタコラム」、地山補強「パンウォール」など自前の技術を多数保有。名鉄(筆頭株主)と同様歴史的なビジネスチャンスを迎えた。10、20年後グループの伸びしろが途轍もなく大きい。前回述べたように、2024年社運絶好調。オーバーワークに注意。いつでもどこでもまっすぐ前向き。名鉄と同運で25年上放れとも述べた。
 2026年3月期(連結)は、売上高1680億円(19.4%増)、営業利益100億円(15.5%増)、経常利益99億円(14.9%増)、純利益66億円(16.9%増)の見通し。さらに10円増配し90円配当(中間45円)の予定。DOE(自己資本配当率)を導入し累進配当を基本とする旨に改めた。4月の人事制度で帰省旅費の支給対象を広げたほか、7月に熱中症対策として小型ファンつき作業服を自社開発。自ら課題解決に取り組み、価値創造にも率先垂範。いいスタートを切った。8月6日、第1四半期を発表。四半期より10、20年後の材料が手に余る。

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