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企業レポート

中長期尻上がり ダイセキ 5月9日  (2025.05.08)

相互関税を境に弾み 
国内製造業の反転が新たな材料
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 ダイセキ(9793)は連結確り。中長期尻上がり。トランプ氏の相互関税を境に弾みがつきそうだ。国内製造業の反転が見込まれるためで、一時鳴りを潜めた産業廃棄物の排出・処理に波及。事前に市場が動き出すとみられる。米国より顧客ファーストによるもので、4月から90日間停止明け待ったなし。紆余曲折の末、一連の懸案が逐一息を吹き返す見込みだ。VISION 2030の進捗等にうかがえる広島事業所(2024年3月稼働)、北海道(同9月土地取得)、東北(土地取得検討中)など依然新鮮な材料。前回紹介した排ガス・廃液からアンモニア回収。連結子会社ダイセキ環境ソリューション(1712)が杉本商事を通じて廃プラリサイクル事業参入。鉱物油再生ビジネスをサーキュラー(循環経済)の一角に加えた。さらに、今年2月応募が下限に届かずTOBを中断した大阪油化(4124)も基準適合からグループ入りの意向。このため、コア事業(ダイセキの廃液リサイクル)国内シェア30%。前期末ダイセキの国内シェア25.6%に上昇。ROE 15%に向けて自社株買い実施(27年2月期まで3年120億円程度)。前期6円増配し人的資本強化。3年後、連結売上高810億円(営業利益180億円)ROE 12.2%。6年後、同1500億円(同250億円)同15.0%までオープン。25年が創業80年と上場30年に相当し記録ずくめだ。数年後、TSMC(熊本)に続きラピダス(千歳)稼働。国内にシリコンバレーが二つ誕生し関連企業が集積の見通し。先行する米国ワシントン州を追い上げ日本の半導体産業が巻き返し。次世代に切り替わる。東京がNYに次ぎ金融センターに生まれ変わる構想もあり一翼を担うわけだ。SNSで大挙日本にやってきた外国人がちまたのシャワートイレに仰天。帰国後、ギャップに耐えられないという。何しろ、日本製自動車品のリサイクル率95%といわれダントツ。同社も人後に落ちずグループ挙げて次世代入り。20年後創業100年、上場50年だけに創業者の遺徳。人口動態によると、上場30年で最高の人材が揃った。これから10、20年記録的な展開が考えられる。
 2026年2月期(連結)は、売上高700億円(4.0%増)、営業利益157億円(9.6%増)、経常利益158億円(6.5%増)、純利益99億円(6.3%増)の見通し。足もと堅調だ。配当72円(中間36円)を据え置く予定。設備投資69億1000万円(前期79億3900万円)、償却37億1800万円(同33億4500万円)の計画。事業を改善・改良しながら拡大する方針。ちなみに、前期の廃棄物等受入量111トンに対し放流水を除くリサイクル率87.1%。伸びしろが相当ある。。リーマン危機以降連動していた鉱工業生産を自助努力により上振れ。コロナ緊急事態宣言から弾みがついた。10年来、新規顧客が毎期コンスタントに6000件を突破。恵まれたポジションにある。算命学によると、同社はパワフルに前進するファイター。どこにいても弱い者の味方をするリーダー。なりゆくまま安全第一。26年の上昇に備えよという。山本社長(60)は初代の運命を担う人材。快進撃が続く。8月に増築した本社で業務を開始する。

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