証券ビュー

売るのは怖い 買うのも、しんどい (2018.06.01)

昭和の風林史(昭和五七年五月二十日掲載分)
ここからは買い屋の器量
ここまでは判る。
問題はこれからの買い屋に哲学があるか?だ。
野武士戦法通用せず。
ここまでは下げの反動を活用して
一気の棒立ち、失地回復、
勢いだったが、

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日米ともに需給相場 6~7月ひとつの時代が終わる (2018.06.01)

 買い戻しで始まり後場一段高。3日ぶりに反発した。前日、NYダウ306ドル高(一時353ドル高)が手掛かり。売り込まれた金融と石油関連がリード。イタリア10年債上昇一服といわれ、引け後シカゴのダウ先物も確りしている。

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勢いにつく 相場が言わせている (2018.05.31)

昭和の風林史(昭和五七年五月十九日掲載分) 
暫く三千円台の庭の中で
三千円台になれてくると、
やはり大底が入っているのだな―
と世間様が判ってくる。
相場というものは
強弱論につくのではなく
勢いにつくものである。
材料は、どの程度、
相場が言わせているか
斟酌(しんしゃく)して
考えなければならない。
買い方は三千円台、
まず自分のうちの庭の中。
安値を叩いた売り玉をつかまえて
逃がさぬようにすればよい。
真綿で首を絞めていく。
餌(えさ)も水も不用である。
パラパラと煎れてくる。
買い屋は四千円だ、五千円だと、
いま騒いではよくない。
三千円と四千円のあいだ
で居場所になれてもらう。
本来10日の頭から14日までの下げは
五百円か七百円でよかったのである。
だからあれは叩き過ぎ。
急反騰したのは、
時間を取り戻すためだった。
従って三千五、七百円あたりは、
予定のスケジュールに過ぎない。
これからは作付け動向と天候に関心が集まる。
値の居所にもよるが作付け増反は強材料。
というのも外貨枠が絞られるし、
自由化が遠のき、
北海小豆主導型相場の回復が成る。
安値を叩いた売り屋にすれば、
なんとも腹立たしいことだろうが、
天候相場を控えている時に、
あそこ(千五百円以下)を売るのが間違い。
三万円割れなどという相場は
平年作以上が判ってから先のことで、
相場が老境に入っていなければ、
ありようはずがない。
五月6日青田底。
五月14日駄目底確認Wボトム。
若い相場だし取り組み増大傾向。
あとは二百円、三百円の押しを拾うだけ。
線という線みな買い線だから
あわてることはない。
●編集部註
 すべてのジャンルはマニアが潰す―。
 実際、商品相場は
この典型例であったと筆者は考える。
 ただ、この世界は
初心者だけで成り立つ世界ではない。
本来は、マニアも初心者も
どちらも楽しめるようでないと
いけないのかも知れない。
 今から10年くらい前ののパチンコ業界や
ネット取引が出始めた頃の証券業界、
エンターテイメント業界なら、
宝塚歌劇などがその好例なのではないか
と筆者は考える。
 難しいのは、世代交代の中で
初心者が成長してマニアになり、
次の世代を
駆逐してしまう現象が生じるという点。
このジレンマに陥っているのが
今のパチンコ業界のような気がする。
先般、TVでパチンコの番組を見たが、
設定がどう、確率変動がこうと、
テクニカルな話ばかりでさっぱり分からず、
少し前、注文方法が
ヨコ文字ばかりで分からなかった当業界の事を
思い出してしまった。

1%か数%のチャンス 米国にとって日本が最大の脅威 (2018.05.31)

 窓を空けて続落。全面安のまま幕切れ。転機が現実になった。NYダウ3連休明け391ドル安(一時506ドル安)がきっかけ。イタリアやスペインの政情不安が欧米やアジア株安に跳ね返ったといわれ、日経平均1ヵ月半ぶりの安値。

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相場が勝手に走る 強引すぎた反動 (2018.05.30)

昭和の風林史(昭和五七年五月十八日掲載分) 
相場が勝手に走るのよ
相場が勝手に走りだす。
上昇トレンドに乗っているからだ。
叩いた分の倍返しへ。
週明けの小豆は
買い方もびっくりする騰勢で
S高という速い失地回復だった。
陰線三本の叩き込み。
これを14日下から掬いあげて
週明け夜放れ高してS高は、
要するに叩き過ぎの反動。
おまけにWボトムの二点底。
売り屋は全部?まって初夏の悪夢だった。
取り組みは
安値時(4日)東西合計六万二百枚が
六万九千枚にふえている。
これは三月中旬
四千五百円当時に見せたボリュームである。
去年もそうだった。下げは短期間。
すぐに切れ味のよい上げを展開した。
それは上昇トレンドに乗っているからだ。
まして二点底して若い相場だけに
叩いた幅の倍返し。
四千二百円あたりまでは自律反騰である。
売り方のトークは
(1)当限大量買いはもってのほかである。
(2)逆ザヤけしからん。
(3)六本木の大量買いは建玉違反でないか。
(4)これは買い占め、買い煽りだ。
 ―取引所や役所は黙っているのかと、
かなり熱い。
確かに強引すぎた。
買い方にも反省すべき余地十分だ。
しかし、三晶の売りだって、
ヘッジなら高いところで静かにやればよい。
あの売りようはヘッジャーではなく
相場崩しの叩き屋のやり方だという。
買い方も必死、売り方も必死。
相場は勘定と感情の戦いだから
エスカレートすれば熱くなる。
買い方は役所や取引所の心証を
悪くしては不利だから、自粛すべきだろう。
目には目を、歯には歯をでは
市場が破壊される。
そんなに強引にやらなくとも相場は若いし、
自律反騰の力もつき、
あとは売り屋の踏み上げで
高くなるしかないのだから、
三千円台の庭の中で少し時間を稼いで
世間が相場についてこれるようにしないと、
大成することはできない。
●編集部註
 すべてのジャンルはマニアが潰す―。
実業家、木谷高明の名言である。
 証券マンであった彼は、
退社してベンチャー企業を立ち上げ、
今も全国展開している
アニメ、コミック、ゲーム販売店の
「ゲーマーズ」を開店させる。
その後
カードゲームを手掛ける「ブシロード」を設立。
同社は後に新日本プロレスのオーナー企業となる。
件の明言はこの時生まれる。
 新参者や初心者をその道のマニアが駆逐し、
排他的な世界になるケースは
どのジャンルにもある。
商品先物業界はその典型例であったと言える。
 木谷は当時の若手エースたちと
二人三脚で新規ファン開拓に粉骨砕身し、
見事業績を回復させる。