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企業レポート

呼吸を整える場面 岡谷鋼機 4月2日 (2024.04.01)

新たなステップに直面 
鉄鋼はじめ自動車や半導体関連も
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 岡谷鋼機(7485)は連結好調。最高益を更新し高水準。次のステップが見込まれる。直近3期収益拡大によるもので、名実とも前中期計画(連結売上高1兆円、純利益200億円、海外取引35%以上)を突破。GIC 2025(グループ5ヵ年中期計画)が2年繰り上がった印象だ。CN(カーボンニュートラル)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、EV(電動化)など後半質の転換にシフト。前期、鉄鋼はじめ情報・電機、産業資材、生活産業全セグメント増収増益。一段と締まっている。日鉄(5401)とトヨタ(7203)を主要取引先に昨年12月からUSスチール買収が新たな材料。紆余曲折の末、年内買収手続きに入る見通し。実現すると、鉄鋼と自動車を巡る世界の取引が一変すると考えられ、同社にとって最大のビジネスチャンス。取引先の生産性向上、ものつくり高度化によるもので、現地・現場・現人主義で対応できる。前期連結で情報・電機(エレクトロニクス・非鉄金属)の売上高3225億円(44.1%増)も明るい材料。米国でエヌビデアをはじめAI関連が注目集める一方、将来の電力不足が懸念されている。今年1月NTT(9432)の「IOWN」開発プロジェクトに政府が452億円出資を決定。やがて、光半導体が通信容量125倍、電力効率100倍といわれ情報・電機も様変わり。追い風が吹く見通し。このため、産業資材(メカトロ・化成品)や生活産業(配管建設・食品)も活性化。収益拡大に拍車がかかりそうだ。3月21日、プロテリアル(旧日立金属)の配管機器事業を引き継ぐ旨表明。ともに100年以上取引があり、鋳物継手からシステム、バルブ、ポリエチレン製品など「ひょうたん印」の商標。継手バルブ市場がガス・水道向け安全で高品質、耐久性が求められ重要な事業。半導体装置メーカーを主要顧客に相当な需要があり巡り合わせを感じる。前期末の連結財政状態を見ると、投資有価証券2415億円(23年末1567億円)。差し引き848億円含み益。天も味方している。24年8月31日(土)の株主に対し1株を2株に分割。9月1日発行済株式総数1944万株。3月29日現在、時価総額1643億円。配当利回り1.60%。PER7.23倍。PBR0.42倍に過ぎない。日鉄にトヨタ、NTT、プロテリアルなど製造業と半導体復活が支援材料になりそうだ。算命学によると、24~25年出番に備え呼吸を整える場面。26~27年最大のチャンス到来。自分の仕事に専念するやよし。懐が大きくみんなから愛されるという。
 2025年2月期(連結)は、売上高1兆1500億円(3.4%増)、営業利益310億円(4.4%減)、経常利益340億円(5.2%減)、純利益225億円(4.9%減)の見通し。配当中間135円、期末67.5円(2分割後)の予定。設備投資150億円(前期70億3800万円)、償却50億3000万円(同46億6800万円)の計画。製造業の懐に飛び込み、ハードのほかソフト、システムなど提案。M&Aもあり国内取引が前期7405億円(21.6%増)とピーク更新。海外取引も3714億円(5.2%増)と最高。33.4%を占めた。北米が依然確りで中国の調整とアセアンに影響が出ている模様。国内の生産回復に賃上げ回答が相次ぎ前向きなニュアンス。新たなステップに直面している。

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