証券ビュー

企業レポート

取引先が黒字転換 セリア 3月26日 (2024.03.25)

100均の価値を死守 
1ドル150円の対応急ピッチ
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 セリア(2782)は好転。第3四半期上方修正。新年度の走りだ。昨年11月から直近まで既存店100%以上(2月107.0%)。一段と採算の改善が進んでいる。2020年10月以来、1ドル150円に備え対応急ピッチ。いち早く取引先が黒字転換した。「新次元への対応」に傾注し、商品見直しに伴う原価上昇抑制、複数出店案件が見込める企業と関係強化、未出店地域の重点開拓。さらに、システムを活用した社内全体の効率化など危急存亡の3年半を乗り切った。同業他社が物価や人件費高騰を受けて高価格帯に移行する中、唯一100均の価値を死守した経緯が清々しい。22年4月オープンした銀座店に続き、港区芝5丁目の田町センタービル店も黒字という。1926年に大阪で開業した「高島屋十銭(テンセン)ストア」から間もなく100年。24年2月、最大手の創業者が物故したこともあり転換点とみられる。全体の80%以上占める主要取引先50社と年2度情報交換し、毎年2万8000点の商品を3割見直しアップデート。天命、使命とも受け取れる輝きを取り戻した。4強の一角で、近い将来トップに追いつき追い越す見通し。前期末従業員550人、臨時雇用者1万2045人(1日8時間換算期中平均人数)のうち、管理職に占める女性の割合が46.27%占め、ご時世にマッチしている。今後、東京をはじめ3大都市圏中心に全国レベルの展開本格化。シェア3割が目前になった。すべて100円で仕切り、自動的に売れ筋を入れ替えるPOS発注支援システムによるもの。データ分析を生命線に在庫管理にも不可欠。コロナ禍、ウクライナ・イスラエル戦争にも動じない。事実、ペントアップ(待機)、インバウンド需要に反映している。このため、価格帯を引き上げた3強が100均の顧客を持て余し業界再編に拍車がかかる。能登半島地震の影響30店舗といわれ不幸中の幸い。日本の100均が抜群の品質で種類も豊富といわれる所以。国内がデフレからインフレ、海外はインフレからデフレになる見通しで転換点を迎えた。算命学によると、あいまいな言葉より行動がすべて。自由な発想で境界線を飛び越えるのが真骨頂。3年半の円安で飛べない竜になり、克服した現在、一回り二回り大きくなる見込みだ。
 2024年3月期(非連結)は、売上高2210億円(4.1%増)、営業利益138億円(10.7%減)、経常利益140億円(10.4%減)、純利益89億円(13.2%減)に見直した。期初にひきかえ0.5%減収、7.0%営業増益。年度末確りで上方修正も考えられる。配当70円(期末35円)の予定。設備投資68億円(前期65億8600万円)、償却49億円(同45億8900万円)の計画。ここまでくると、デフレ30年の残存者利益がお宝。バブル崩壊後、経済が破綻し芽を吹いただけに24~25年チャンス。26年、大阪高島屋十銭(テンセン)ストア100年が開花に相当する。河合社長(56)は、出番に備え呼吸を整える場面。3月13日、米国の100均に相当するダラー・ツリーが23年11~24年1月期決算を発表し最終約2500億円赤字。低所得層の節約が響いたといわれ1000店舗閉鎖。21年11月、単価1ドルを1.25ドルに引き上げ2年もたなかった。

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