出直し心機一転 旭化学 11月11日 (2025.11.10)
取引先が世界で指折り
プラスチック成形も次のステップ
企業HPご案内 前回の企業レポート
旭化学工業(7928)は出直し。前期連結下方修正に追い込まれ心機一転。発破がかかった。主取引先マキタとトヨタグループに連動し米新政権の相互関税から拍車。国内をはじめ中国、タイ3拠点洗いざらい見直し。今期持ち堪え反転に備える構えだ。人件費や物流費上昇,慢性的な人手不足を踏まえ、一層の省力化、効率化を含めた生産性向上、省電力設備、廃棄ロスの少ない生産方法など社内で検討。最新設備の更新も視野にある。前期稼働したカメラで製品を撮影し困難だった不具合を検知。品質とコスト改善に取引先の評価も一変した。廃棄するプラスチック削減や再利用に意欲。建築資材のほか廃棄予定の樹脂材料開発も新たなテーマになった。2024年10月から研究施設として継続中の植物工場。様々な野菜が土を一切使わず水と液体肥料で育つと評判。LED(発光ダイオード)による光量や温度、湿度、二酸化炭素まで徹底管理した水耕栽培。プラスチック会社が無菌レタスを供給する時代になった。現在テスト販売だが、スーパー、ホテル、レストランなど引き合い。循環型社会の一環という。
米国の関税措置について不確定要素が多く予断を許さないのも事実。同社は自動車部品の生産に大型成形設備の増設や更新に取り組み、単品からセット取りが主流になった。現在1300トンクラスの超大型成形設備が複数稼働しており問題ない。電力費の高騰もあり、従来の油圧式から電動に切り替え、併行して太陽光パネルの設置も進める。一方、電動工具部品の受注が堅調。国内、中国、タイに共通するもので、この上、OPE(充電式園芸機器)が主流とみられるだけに数年後お宝的存在。世界の電動工具市場3兆円、OPE4~7兆円といわれ、マキタが2019年「40V max」を発表し話題になった。現在、中国生産比率を6割から2割に下げ、ルーマニアやタイ、他地域・米国生産を後押し。同社にお鉢が回ってくる。
2026年8月期(連結)は、売上高78憶5000万円(6.1%減)、営業利益4000万円、経常利益1億1000万円(3.0%減)、純利益5000万円と慎重な見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。設備投資3億円(前期6億4400万円)の計画。日本を代表するマキタとトヨタグループのプラスチック加工が単品からセット取りに変わる転換期。むしろ、相互関税が呼び水になった。算命学によると、2026年調整が残り27年後半上昇。30年にかけて一大チャンスと社運よし。杉浦社長(58)も26年トンネルを抜け30年日の目を見る旨ゴーサイン。主取引先が世界で指折りだけにプラスチック成形も次のステップに入る。







