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企業レポート

回復二段構え マキタ 5月27日 (2025.05.26)

ピンチのあとチャンス 
相互関税と米国債格下げ織り込む
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 マキタ(6586)は連結急回復。二段構えだ。直前期在庫を適正水準に戻し最高益を更新した矢先、新年度米政権の相互関税に左右されるためで、90日間停止と米国債格下げのはざま。チャンスとみられる。世界中地政学的な緊張が続き建設・建築市場の回復を打診するもので、23日明らかになった日鉄(5401)のUSスチール買収承認が新たな材料。前期落ち込んだ北米(10.4%減)と為替や金利の好転も考えられ、来年11月米中間選にかけてリバウンドの公算が大きい。直前期、開発面でハイパワー・長寿命・高耐久「40Vmaxリチウムイオンバッテリ」(XGT)シリーズの充電製品ラインナップ拡充に注力。ハイパワーなマルノコやエア式同等のトルクを持つインパクトレンチなど市場開拓・シェア拡大に貢献する新製品投入。生産面であらゆる工程の無駄取りとコストダウンに努め、各工場の取り組み横展開しグループ企業の効率向上に努めた。営業面でも地域・顧客密着体制のレベルアップに注力。世界各地で信頼関係の強化に努め、40Vmaxリチウムイオンバッテリを活用したハイパワーな製品を軸に市場深耕・開拓に取り組んだ。在庫調整後受注が回復し国内で円安現地通貨高をもたらした。さらに、電動工具に次ぐ将来の柱として使用時に排ガスの出ない充電式OPE(園芸用機器)に傾注。脱炭素社会の実現に取り組んでいる。GHG(温室効果ガス)排出量を2030年度までに50%削減(2020年度比)。40年度実質ゼロに設定した。直近、世界3位。1位はスタンレー・ブラック・アンド・デッカー(シェア推定19%)、2位テクトロニック・インダストリーズ(同13%)に追いつき追い越す構え。2019年10月、電動工具業界初の40V高電圧バッテリに独自の「スマートシステム」を搭載したハイパワーシリーズ「40Vmax」を発表し話題になった。国内129の直営営業所と約2万の登録販売店。世界50ヵ所の直営店を構え、販売のほかメンテナンスに定評。営業担当者が製品を構造から学んでおり3日で修理が完了する仕組みだ。世界の電動工具3兆円、OPE4~7兆円といわれる市場でダークホース。毎期改良と改善を重ねピンチのあとチャンスがやってくる。
 2026年3月期(連結)は、売上高7000億円(7.1%減)、営業利益740億円(30.9%)、経常利益同(31.8%減)、純利益540億円(31.9%減)の見通し。前期110円配当(53円増配)を踏まえ中間20円の予定。総還元性向35%以上。設備投資280億円(前期176億円)、償却250億円(同249億円)、研究開発費165億円(同151億円)の計画。各分野でプロユーザーの獲得がテーマになっている。OPEについても、2017年の売上高をベースに前期3.1倍。「ストロング」の矛先が明らかになった。世界あまねく地産地消。コロナ禍を体験し使命になってきた。算命学によると、2025年に22~23年の揺り戻し。26年~30年にかけて上昇運。パワフルに前進するファイターと述べた。後藤社長(50)は24~25年調整運。新たな仕込みに余念がない。10年スパンで半値戻し。全値戻し、倍返しも視野に入った。

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