証券ビュー

アンコール伊勢町

最後に残る現物資産 米国が死ぬと世界経済も死ぬ (2011.09.21)

3連休明け。主力中心に反落。戻り待ちの売りにつかまった。16~17日ユーロ圏・EU財務相によるギリシャ支援は時間稼ぎにしても、日本時間20日朝S&Pがイタリア国債をシングルAネガティブに一段階格下げし波紋を呼んだ。19日換金売りを浴び1778ドルで引けたNY金先物が気になるところ。■■■■(****)が20日1137円で引け、それなりに反応しているためだ。20、21日のFOMCも時間稼ぎ。欧米は日本の勧進帳を贔屓にしている。

金融テクニックは日本よりはるか上だが、政府債務もケタ外れ。日本はGDP200%といわれるが、世界のトータル同800%という。欧米と日本が大半を占め、1990年にGDPの3分の1だったものが、投機資金とデリバティブの急増によりローマ帝国末期やナポレオン戦争当時もかすむほど膨れ上がった。08年9月15日リーマンショックを前触れに、8月5日の米国債格下げが乱高下の始まり。まさかのトレンドが定着した。つまり、世界的なインフレが迫り、あらゆる通貨の値下がりが見込まれる今日、最後に残るのは現物資産。市場では金先物、同ETF、同現物、ないし金鉱株を除きヘッジ手段がしぼられてきた。ちなみに、これまで世界が産出した金現物15万5500トン。うち、中央政府と中央銀行保有3万1000トン。年間供給2500トンに対し需要4000トン。この差1500トンが中央銀行取引にリサイクルという。問題は、現物に対し過大なETF取引水増しと密度が同じタングステン金メッキ説。市場がこの二つを織り込み、円高にめどがつけば次の流れもわかる。ところが、ネタが割れるとドル暴落。米国が死ぬと世界経済も死ぬというしくみ。、金の売買はシカゴとNYしかできない。1944年ブレトンウッズ協定で決められたまま。日本は国レベルでも800トン以下で預り証を持っているのに過ぎない。世界の全上場株式の時価総額は約3000兆円だが、このうち金関連銘柄150兆円。ところが恐慌になるとこの割合が跳ね上がる。1934年当時は実に20%(4倍)になったという。他の株式が大暴落する一方、金関連の価値が評価されたもの。もっとも、1933年に米大統領が「全ての米国人は持っている金を紙幣と交換しなければならない」という趣旨の緊急銀行法を制定。金を海外に持ち出すことを禁止したほか、100ドル以上価値のあるものもすべて没収、隠した場合10年以上懲役を科したという。この「新法」は1974年まで続いた。要するに、富裕層は国内に金を置かず海外に持ち出した。

 日経平均は142円安。後場も見送られ8721円の引け。出来高14億1600万株、売買代金9600億円。20日経財相が発表した円高総合対策中間報告も、強靭な経済構造転換を唱えながら成長を下支えする内容にとどまり、第3次補正に向けて最終とりまとめを行うという。持ち駒で■■(****)1302円、■■■■■(****)386円が値を保った程度。日本は金融産業を余りにもいじめ過ぎ。もっと大切にし国家として経済運営の中心に据える必要があるという。金融庁も裁判所も金融業が大嫌い。あきれるほど偏見を持ち、不利な扱いを平気でするという声もある。年金、郵貯、銀行も国内金融だけで資金が回らなくなっている。3連休明けからリスクを受け入れる構えと述べた。3次補正を前に新政権も胸突き八丁。来年相当な反発が予想されるだけに、ひとまず打診買いとみられる。(了凡)